音MAD作者格付けチェック2023の問題を作成した話
2023/1/1の生放送「音MAD作者格付けチェック2023」にて問題作成として裏方参加をしました。今回はなんであんなものが出来たのかという話。
2022年某日主催の埜村武さんより連絡。
格付けチェックの出題作品の作成依頼。
問は「人間が考えたストーリーはどちらか」というもの。
一つは一から私が考えたストーリー音MAD、
もう一つは私の冒頭の文章をAIのべりすとに入力し生成されたものを音MADにするというもの。
この2つの音MADを収録日前までに制作することを依頼されました。
はっきり言って最初は断ろうと思っていました。
私はいわゆる音MADユニバースを意識して作ったことがなかったためです。
さらにAI版も作成してどちらが私が作ったものか?という問題に仕上げなくてはならない。とんでもなくハードルが高く感じました。
しかし私を突き動かしたのは当時引退を考えていた私にもこんな挑戦的な依頼が来るものかという嬉しさと今までにない試みをしようとする運営の意気込みでした。
こうして特に深く考えずに思い切ってyesの返信を行うのでした。
参加表明からあまり時間を開けず制作が始まりました。今回はAIのべりすとが絡むということなのでAI拓也で有名な六角チョコパイさんをAI監修役として迎えAIに読み込ませるためにも冒頭の脚本を真っ先に書くことから始まりました。
文章を書くしかも物語なんて初めてのことだったのでとにかく苦戦いたしました。
そして出来上がった私の文章がこちら。
~~~~~冒頭(AIと共通部分)~~~~~音MAD王国の緊急事態に対し、国王は腕の立つ勇敢な4人の戦士を召喚し和田アキ子の討伐を命じるのであった。そんな真島茂樹と方を並べる戦士、ふーみんは武闘家である。舐めとるやつには、舐めとるやつには、ケツの穴から、ケツの穴から、ケツの穴から指突っ込んで、奥歯をガタガタ言わせられる強靭な肉体を持つ。と思ったが、旅立ちの前に腹ごしらえをしようと4人は王国の食堂に立ち寄るのであった。~~~~続き(オリジナル)~~~~~食堂へ向かう道中で4人は自己紹介を始めた。ふーみん「世の中にはナメとる奴らがたくさんいます。そういう奴はケツの穴から指突っ込んで奥歯ガタガタ言わせたろっかい!」久保田利伸「魔王はとても強い。でも一緒に頑張ろう!」チャン・ドンゴン「ミンナガチカラヲアワセレバ、キットタオセルヨ!」4人は早くも意気投合し、魔王討伐の機運を高めた。真島茂樹「お腹が減っちゃいました。」ふーみん「ナメとるねぇ!」久保田利伸「なにを食べようか?」チャン・ドンゴン「ハヤクタベタイヨ!」早速4人は近くの王国食堂にて休憩をとるのであった。席についた一行は各々好きな食べ物を頼んだ。食事を楽しみに待つ一行。すると向かいの席が騒がしくなる。??「コラコラコラ!日本人ならお茶漬けやろ!」真島茂樹「なんだあれ?」ふーみん「これ完全にナメとるねぇ!」久保田利伸「マナーが悪いなあ。」チャン・ドンゴン「シネェ!」喧騒は次第に近づいてくる。真島茂樹「あ、あれは!?」ふーみん「これ完全に危ないねぇ!」久保田利伸「この声は・・・みんな気をつけて!」チャン・ドンゴン「アナタハ!」ラモス瑠偉「お茶漬けやろ!!」4人の目の前に現れたのはラモス瑠偉だった!突然のラモス瑠偉との邂逅に一行に緊張が走る!ラモス瑠偉「お茶漬けやろ!」ラモス瑠偉の先制攻撃!真島茂樹「ハァイ!ワン、トゥー!」ラモス瑠偉「コラコラコラ!」真島茂樹「サンバのリズムで」ラモス瑠偉「日本人ならお茶漬けやろ!」バシッお互いに一歩身を引く。ラモス瑠偉「なかなかやるみたいだな・・・」茂樹「今日はこれくらいにしておきましょう。」ラモス瑠偉「コラコラコラ!」危ない!瞬間、油断した真島茂樹に向かったラモスの一撃が放たれる。が、ふーみんが身を挺して茂樹を守る。ふーみん「今完全にナメてたねぇ!」ラモス瑠偉「いい度胸じゃないか!」ふーみんの攻撃!パンパンッパン パンパンッパンふーみん「ナメとる奴には」ふーみん「ナメとる奴には」ふーみん「ケツの、ケツの、ケツの、ケツの、」ふーみん「ケツの穴から、ケツの穴から、ケツの」ふーみんの攻撃がもたもたしているスキをラモスの反撃が襲う!グサッ!真島茂樹「ふーみんさん!?」久保田利伸「なんてこった!」チャン・ドンゴン「イマタスケルヨ!」回復魔法を唱えるチャン・ドンゴン。しかしふーみんの傷は治せないほどの致命傷であった・・・ふーみん「無駄だよ。これ完全に・・・」チャン・ドンゴン「シナナイデ!」ふーみんは力果てた。ラモス瑠偉「これで一匹うるさいのが消えたな・・・」久保田利伸「それ以上喋るなよモジャモジャ!」怒りに震える利伸の放った魔法がラモス瑠偉を捉える。シンガーソングライターの魂の歌声が爆撃となってラモス瑠偉に降り注ぐ!ラモス瑠偉「なにっ」ボカーン!ラモス瑠偉は爆散した。辛くもラモス瑠偉を倒したのだ。立ち上る煙が引いていくとそこにはJリーグカレーを食べるまさお(一般市民)の姿があった。母「はいまさお。Jリーグカレーよ。」真島茂樹「そんなまさか。これぐらいにしておきましょう。」ラモス瑠偉「いくぞ勇者よ・・・あら?」パンッパンッパンッパンッパンッパンラモス瑠偉の体内から手拍子が聞こえる。ラモス瑠偉「あぁ?」真島茂樹「ふーみんさん!?」ふーみん「ナメとるねぇ!」死んだと思われたふーみんは最後の力を振り絞ってラモス瑠偉のケツの穴から指突っ込んでいた!ふーみん「奥歯をガタガタ言わせ節」ラモス瑠偉「ぐああああ!」ふーみんという大きな犠牲を払ったラモス瑠偉との死闘の末、次こそちゃんと食事をするため一行は違う食堂に足を運ぶのであった。~~~~~~ラスト~~~~~食堂の席に付き一息つく一行。食事を待つ中、厨房がなにやら騒がしい。??「麻婆春雨はよ作れや!」真島茂樹「あ?あれは!?」久保田利伸「この魔力・・・やつだ!」チャン・ドンゴン「モウヤダ!」和田アキ子「待ってたで勇者ども!」和田アキ子「ここだと狭いなぁ!ハァッ!」突如アッコが放った衝撃波は辺り一面を吹き飛ばす。久保田利伸「うわあ!?」衝撃波に巻き込まれた久保田利伸は瓦礫とともに飛ばされていった。真島茂樹「アッコ!これまでだ、成敗!」和田アキ子「真島、アンタ騙されてるで」真島茂樹「何!?」和田アキ子「この国はアンタをいいように利用しているだけや。アンタはただの操り人形なんや!」真島茂樹「う、嘘だ!」チャン・ドンゴン「ダメ!」和田アキ子「うるさいわ!」チャン・ドンゴンの傷は深かった。最期の力を振り絞り彼は茂樹に語った。チャン・ドンゴン「マジマサン、ジブンヲシンジテ・・・アナタノコトガスキデス・・・」そう言葉を残すと静かに息を引き取った。自分を愛してくれたチャン・ドンゴンと仲間たちのためにも、そして自分が自分であるために使命を果たすのだ。和田アキ子はこの手で討つ!和田アキ子「来いよ!」その光景はまるでダンスのようだった。二人は敵同士でありながらDanceBeatに乗って心が通じ合うかのようだった。自由奔放に踊るこの姿こそ和田アキ子の存在証明だったのだ。真島茂樹もサンバのリズムで踊りながら戦う自分に不思議な感覚を抱いた。何者にも邪魔はできないこの瞬間、真島茂樹には本当の自分を見つけた気がした。ダンスミュージックに終わりがあるように二人の戦闘にも終わりが訪れた。ふたりとも満身創痍、体はボロボロ、生きているだけでも不思議だった。力を使い果たした二人は吸い寄せられるように食堂跡にあるテーブルに目をやった。そこにはJリーグカレーが残されていた。急激な食欲にそそのかされた二人はJリーグカレーを夢中でかきこんだ。ラモス瑠偉「日本人ならお茶漬けやろ!」3年後~ラモス瑠偉集団が闊歩する音MAD王国に一人のある男が立っていた。~~~~~終~~~~~~
冒頭では音MADあるあるなブラックユーモアとよく見る異世界ものの超王道的物語を簡素に説明しつつ一部ノイズ的要素をわざと混ぜています。このノイズ(フリ)がAIにかませることによってどう働くか?私のなりの挑戦状でもありました。
制作の流れとしては、自作脚本が出来るまでAI脚本に目は通さないこと、自作脚本は音声制作と同時並行で進めるという形で進めています。このときは真剣勝負という意気込みでAI脚本のことはほとんど意識せず作ろうとしていました。
脚本関係は結構頻繁に運営サイドに進捗を確認してもらいながら試行錯誤の毎日だったと記憶しています。
ストーリーを練るにあたってあるテーマを元にすることによって完成に至りました。
今回の音MAD及びストーリーは「ミーム汚染」をテーマにしています。
久保田利伸の立ち絵だけ40枚以上存在していて同じ立ち絵は使われていません。これは音MADとして確立されていない存在という現れを表現しました。
もちろん上記だけでは話の辻褄が合わない部分があります。色々おかしくするためわざとボケに走ったというのもありますが、単純に私のお話の作り方が下手くそなせいであるためでしょう。
ただこういうテーマ性はAIにないものだろうということで意識してつくった部分であります。ちゃんと伝わったかという点ではよくなかったと思いますが。
脚本完成後すでに完成されたAI版脚本に目を通したんですが、本当にびっくりしました。テンポよくボケをかましつつしっかり話を破綻させず音MADらしさを醸し出している。なんせ最初お話をいただいた時のAI音MAD例がこれだったので。
もちろんこれを出力するにあたってはAIのべりすとを使いこなしている六角チョコパイさんの技量の賜だと思います。
実際にAI脚本から音MADを作成するにあたっても特に困ることなくスムーズに作成することが出来ました。
自作版はテーマに凝りすぎて強引な展開を持ってきているので「構成」とういう点ではAI版のほうがうまいのではと思っています。
そんなこんなで5ヶ月くらいの期間で2つの動画を用意する事ができました。
なんでかわからないけど作問者という形で私も収録現場を見学してました。そこらへんの裏話は運営さんの解説を聞きたいな。
とにかく今回の企画なのですが参加者、裏方見学、視聴者という3つの関わりをして思ったのが、いいイベントだったな!と。
果たして格付けチェックとしての設問として私のつくったやつは適していたのかという疑問は残りますが、あの時断らずに挑戦できたことに自分を褒めたいと思います。
この熱量を間近で堪能できたのですから。
そういえば2023年あの企画の続編音MDM天が発表されましたね!ずっと音MADを追っていた人間からすると、数人の悪ふざけみたいなところから始まったものがやがて熱を帯びてその熱が人を動かしていく、その連鎖を目の当たりにしていてまた熱い年になりそうですね。
そんな今年最初の熱をありがとうございました!